FP3級試験で出題される「税額控除」の攻略ポイントと例題についてまとめました。
税額控除とは
税額控除とは、計算された所得税額から直接差し引くことができる控除のことです。
これにより、最終的な納税額を減らすことができます。
所得控除は、課税所得を計算する前に所得から差し引くもので、例えば医療費控除や扶養控除などがあります。
一方、税額控除は計算された税額から直接差し引くもので、税額控除の方が直接的に税負担を軽減する効果が高いです。
これらの税額控除を理解することで、FP3級の試験対策だけでなく、実際の税務申告にも役立ちます。
FP3級の試験でよく出題される税額控除には、以下のようなものがあります。
1. 住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)
住宅ローン控除は、住宅ローンを利用して住宅を取得したり、増改築した場合に適用されます。
具体的には、以下のような条件があります。
- 対象住宅:新築住宅、中古住宅、増改築・リフォーム
- 控除期間:通常10年間(特定の条件を満たす場合は13年間)
- 控除額:年末の住宅ローン残高の1%(最大控除額は年間40万円、長期優良住宅や低炭素住宅の場合は年間50万円)
例えば、年末の住宅ローン残高が3,000万円の場合、控除額は30万円(3,000万円 × 1%)となります。
2. 三世代同居改修工事にかかる特例
三世代同居改修工事の特例は、親世代・子世代・孫世代が同居するための改修工事に対して適用されます。
具体的な条件は以下の通りです。
- 対象工事:バリアフリー改修、耐震改修、省エネ改修など
- 控除額:工事費用の10%(最大控除額は20万円)
例えば、改修工事費用が200万円の場合、控除額は20万円(200万円 × 10%)となります。
3. 配当控除
配当控除は、株式の配当所得に対して適用される控除です。
総合課税を選択した場合、以下のような控除が受けられます。
- 控除率:配当所得の10%(所得税)、2.8%(住民税)
- 適用条件:総合課税を選択し、確定申告を行うこと
例えば、配当所得が50万円の場合、所得税の控除額は5万円(50万円 × 10%)、住民税の控除額は1.4万円(50万円 × 2.8%)となります。
練習問題と解説
問題 1: 住宅借入金等特別控除
問題: 田中さんは、2023年に新築住宅を購入し、住宅ローンを利用しました。年末の住宅ローン残高は3,500万円です。田中さんが受けられる住宅借入金等特別控除の金額はいくらでしょうか?
a) 30万円
b) 35万円
c) 40万円
d) 50万円
解答: b) 35万円
解説: 住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)は、年末の住宅ローン残高の1%が控除されます。田中さんの年末の住宅ローン残高は3,500万円なので、控除額は以下のように計算されます:
[ 3,500万円 \times 1\% = 35万円 ]
したがって、田中さんが受けられる控除額は35万円です。
問題 2: 三世代同居改修工事にかかる特例
問題: 鈴木さんは、親世代と同居するために自宅のバリアフリー改修工事を行いました。工事費用は250万円でした。鈴木さんが受けられる税額控除の金額はいくらでしょうか?
a) 15万円
b) 20万円
c) 25万円
d) 30万円
解答: b) 20万円
解説: 三世代同居改修工事にかかる特例では、工事費用の10%が税額控除されます。ただし、最大控除額は20万円です。鈴木さんの工事費用は250万円なので、控除額は以下のように計算されます:
[ 250万円 \times 10\% = 25万円 ]
しかし、控除額の上限は20万円なので、鈴木さんが受けられる控除額は20万円となります。
問題 3: 配当控除
問題: 山田さんは、2023年に株式の配当所得として60万円を受け取りました。総合課税を選択し、確定申告を行った場合、山田さんが受けられる所得税の配当控除の金額はいくらでしょうか?
解答: c) 6万円
解説: 配当控除は、配当所得の10%が所得税から控除されます。山田さんの配当所得は60万円なので、控除額は以下のように計算されます:
[ 60万円 \times 10\% = 6万円 ]
したがって、山田さんが受けられる所得税の配当控除の金額は6万円です。
a) 4万円
b) 5万円
c) 6万円
d) 7万円
関連ページ


コメント