FP3級試験で出題される「相続と法律」の重要ポイントと例題についてまとめました。
相続と税金の概要
FP3級の「相続と税金」では、被相続人(亡くなった人)の財産を相続人(残された人)が受け継ぐ際の手続きや税金について出題されます。
具体的には、相続の基本的な概念、相続税や贈与税の計算方法、財産の評価方法などがよく出てきます。
項目 | 内容 |
---|---|
相続の概要 | 被相続人の財産を相続人が受け継ぐこと |
相続税 | 相続財産に対して課される税金 |
贈与税 | 生前に財産を贈与する際に課される税金 |
財産の評価 | 相続や贈与の際に財産の価値を評価する方法 |
1. 相続の概要
相続とは、被相続人の財産を相続人が受け継ぐことを指します。相続には以下のような手続きや概念があります。
- 法定相続人: 民法により、相続人の範囲と順位が定められています。常に相続人となるのは配偶者であり、次に子、直系尊属(父母、祖父母)、兄弟姉妹の順に相続権があります¹。
- 相続分: 相続人が複数いる場合、各相続人が受け取る財産の割合を相続分といいます。法定相続分と指定相続分があります²。
- 法定相続分: 民法で定められた相続分。
- 指定相続分: 被相続人が遺言で定めた相続分。
相続の手続き
- 相続の開始: 被相続人の死亡により相続が開始されます。
- 相続人の確定: 法定相続人を確定します。
- 相続財産の調査: 被相続人の財産や負債を調査します。
- 相続放棄・限定承認: 相続人は相続を放棄するか、限定承認するかを選択できます。
- 遺産分割協議: 相続人全員で遺産の分割方法を協議します。
- 相続税の申告・納付: 相続税の申告書を提出し、税金を納付します³。
2. 相続税
相続税は、相続財産に対して課される税金です。
相続税の計算方法
- 課税価格の計算: 相続財産の総額から基礎控除額を差し引きます。
- 基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数。
- 税率の適用: 課税価格に応じた税率を適用します。
- 税率は10%から55%までの累進課税。
- 税額控除: 配偶者控除や未成年者控除などの各種控除を適用します。
相続税の申告と納付
- 申告期限: 相続開始から10ヶ月以内に申告書を提出します。
- 納付方法: 一括納付が原則ですが、延納や物納も可能です⁶。
3. 贈与税
贈与税は、生前に財産を贈与する際に課される税金です。
贈与税の計算方法や控除について学びます。
贈与税の計算方法
- 課税価格の計算: 贈与財産の総額から基礎控除額を差し引きます。
- 基礎控除額 = 110万円。
- 税率の適用: 課税価格に応じた税率を適用します。
- 税率は10%から55%までの累進課税。
贈与税の申告と納付
- 申告期限: 贈与を受けた年の翌年3月15日までに申告書を提出します。
- 納付方法: 一括納付が原則です。
4. 財産の評価
相続や贈与の際に財産の価値を評価する方法について学びます。
- 土地の評価: 路線価方式や倍率方式で評価します。
- 建物の評価: 固定資産税評価額を基に評価します。
- 有価証券の評価: 上場株式は相続開始日の終値で評価します。
練習問題と解説
問題1
被相続人が死亡した場合、相続税の基礎控除額はどのように計算されますか?
- 3,000万円 + (600万円 × 法定相続人の数)
- 5,000万円 + (1,000万円 × 法定相続人の数)
- 4,000万円 + (500万円 × 法定相続人の数)
- 2,000万円 + (700万円 × 法定相続人の数)
【解説】
正解: 1
相続税の基礎控除額は「3,000万円 + (600万円 × 法定相続人の数)」で計算されます。
例えば、法定相続人が3人いる場合、基礎控除額は3,000万円 + (600万円 × 3) = 4,800万円となります。
この基礎控除額を超える相続財産に対して相続税が課されます。
問題2
相続税の申告期限は、被相続人が死亡した日から何ヶ月以内ですか?
- 3ヶ月
- 6ヶ月
- 10ヶ月
- 12ヶ月
【解説】
正解: 3
相続税の申告期限は、被相続人が死亡した日から10ヶ月以内です。
この期間内に相続税の申告書を税務署に提出しなければなりません。
申告が遅れると、延滞税や加算税が課されることがあります。
問題3
次のうち、相続税の課税対象となる財産はどれですか?
- 被相続人の死亡保険金
- 被相続人の借金
- 被相続人の葬儀費用
- 被相続人の医療費
【解説】
正解: 1
相続税の課税対象となる財産には、被相続人の死亡保険金が含まれます。
ただし、死亡保険金には「500万円 × 法定相続人の数」の非課税枠が設けられています。
被相続人の借金や葬儀費用、医療費は相続税の課税対象外です。
問題4
相続税の納税方法として、次のうち正しいものはどれですか?
- 一括納付のみ
- 分割納付のみ
- 一括納付または分割納付
- 納税義務はない
【解説】
正解: 3
相続税の納税方法には、一括納付と分割納付の両方があります。
納税者の状況に応じて、分割納付を選択することができます。
ただし、分割納付を選択する場合は、税務署に申請し、承認を受ける必要があります。
関連ページ
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