【FP3級】「セーフティネット」のポイントと練習問題

FP3級試験で出題される「セーフティネット」の重要ポイントと例題についてまとめました。

セーフティネットの概要

「セーフティネット」とは、金融商品の取引において、特に顧客の知識が乏しい場合に顧客が損をしないようにするための仕組みを指します。
FP3級では、主に以下のセーフティネットが出題されます。

セーフティネット 概要
預金保険制度 金融機関が破綻した場合に預金者を保護する制度
日本投資者保護基金 証券会社が破綻した場合に投資家を保護する制度
金融商品販売法 金融商品の販売に関する顧客保護のための法律
消費者契約法 消費者を保護するための法律
金融商品取引法 金融商品の取引に関する顧客保護のための法律

1. 預金保険制度

預金保険制度は、金融機関が破綻した場合に預金者を保護するための制度です。
日本国内に本店がある銀行や信用金庫、金融機関に預け入れた預金が対象となります。

保護対象となる預金

  • 預貯金
  • 定期積立金
  • 元本補填契約のある金銭信託
  • 保護預かり専用商品に限った金融債

保護対象とならない預金

  • 外貨預金
  • 譲渡性預金
  • 元本補填契約のない金銭信託
  • 保護預かり専用商品以外の金融債

保護の範囲

  • 決済用預金は全額保護
  • それ以外の預金は1金融機関ごとに預金者1人あたり元本1,000万円までとその利息が保護対象

2. 日本投資者保護基金

日本投資者保護基金は、証券会社が破綻した場合に投資家を保護するための制度です。
証券会社は投資家から預かった金融資産を分別管理する義務があり、万が一証券会社が破綻しても投資家は資産を返還してもらえます。

分別管理義務

証券会社は投資家の資産を自社の資産とは別に管理する義務があります。

補償範囲

証券会社が分別管理を行っていなかった場合、日本投資者保護基金から1人あたり最大1,000万円が補償されます。

3. 金融商品販売法

金融商品販売法は、金融商品の販売に関して顧客を保護するための法律です。

重要事項の説明義務

金融商品販売業者は、金融商品を販売する際に重要事項(元本割れのリスクなど)について説明する義務があります。

損害賠償責任

説明義務を怠り顧客が損害を被った場合、金融商品販売業者に損害賠償責任が発生します。

4. 消費者契約法

消費者契約法は、消費者を保護するための法律です。

保護対象

個人消費者に限定されます。

契約の取消し

事業者の不適切な行為により消費者が誤認・困惑して契約を申し込んだ場合、その契約を取り消すことができます。

5. 金融商品取引法

金融商品取引法は、金融商品の取引に関して顧客を保護するための法律です。

適合性の原則

投資家の知識や経験に応じて適切な勧誘を行うことが求められます。

規制対象

債券や株式、投資信託の他、外貨預金や変額保険など投資性の強い金融商品も対象です。

練習問題と解説

問題1

預金保険制度に関する次の記述のうち、正しいものはどれですか。

  1. 外貨預金も預金保険制度の保護対象である。
  2. 預金保険制度では、決済用預金は全額保護される。
  3. 預金保険制度の保護対象は、1金融機関ごとに預金者1人あたり元本500万円までである。
  4. 金融機関が破綻した場合、預金保険制度は預金者に対して元本の50%を補償する。

【解説】
正解: 2
解説文: 預金保険制度では、決済用預金は全額保護されます。
外貨預金や譲渡性預金などは保護対象外であり、その他の預金は1金融機関ごとに預金者1人あたり元本1,000万円までとその利息が保護対象です。

問題2

日本投資者保護基金に関する次の記述のうち、正しいものはどれですか。

  1. 日本投資者保護基金は、証券会社が破綻した場合に投資家に対して最大1億円を補償する。
  2. 証券会社は投資家の資産を自社の資産と一緒に管理する義務がある。
  3. 日本投資者保護基金は、証券会社が分別管理を行っていなかった場合に1人あたり最大1,000万円を補償する。
  4. 日本投資者保護基金は、投資家が損失を被った場合にその損失を全額補償する。

【解説】
正解: 3
解説文: 日本投資者保護基金は、証券会社が分別管理を行っていなかった場合に1人あたり最大1,000万円を補償します。
証券会社は投資家の資産を自社の資産とは別に管理する義務があります。

問題3

金融商品販売法に関する次の記述のうち、正しいものはどれですか。

  1. 金融商品販売業者は、金融商品を販売する際に重要事項について説明する義務がない。
  2. 金融商品販売法は、金融商品の販売に関して顧客を保護するための法律である。
  3. 金融商品販売業者が説明義務を怠った場合、顧客は損害賠償を請求できない。
  4. 金融商品販売法は、金融商品の販売に関する規制を行わない。

【解説】
正解: 2
解説文: 金融商品販売法は、金融商品の販売に関して顧客を保護するための法律です。
金融商品販売業者は、金融商品を販売する際に重要事項について説明する義務があり、説明義務を怠った場合には損害賠償責任が発生します。

問題4

消費者契約法に関する次の記述のうち、正しいものはどれですか。

  1. 消費者契約法は、法人消費者も保護対象とする。
  2. 消費者契約法に基づき、消費者は事業者の不適切な行為により誤認・困惑して契約を申し込んだ場合、その契約を取り消すことができる。
  3. 消費者契約法は、消費者を保護するための法律ではない。
  4. 消費者契約法は、契約の取消しに関する規定を持たない。

【解説】
正解: 2
解説文: 消費者契約法は、消費者を保護するための法律であり、個人消費者が対象です。
事業者の不適切な行為により消費者が誤認・困惑して契約を申し込んだ場合、その契約を取り消すことができます。

問題5

金融商品取引法に関する次の記述のうち、正しいものはどれですか。

  1. 金融商品取引法は、金融商品の取引に関して顧客を保護するための法律ではない。
  2. 金融商品取引法の適合性の原則では、投資家の知識や経験に応じて適切な勧誘を行うことが求められる。
  3. 金融商品取引法は、債券や株式のみを規制対象とする。
  4. 金融商品取引法は、外貨預金や変額保険を規制対象としない。

【解説】
正解: 2
解説文: 金融商品取引法の適合性の原則では、投資家の知識や経験に応じて適切な勧誘を行うことが求められます。
また、金融商品取引法は債券や株式だけでなく、外貨預金や変額保険など投資性の強い金融商品も規制対象としています。

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