FP3級試験で出題される「金融派生商品」の重要ポイントと例題についてまとめました。
金融派生商品の概要
金融派生商品(デリバティブ)は、株式や債券などの基本的な金融商品から派生した取引です。
これらは、リスク管理や投機、裁定取引などの目的で利用されます。
FP3級の試験では、主に以下の3つの金融派生商品が出題されます。
金融派生商品 | 概要 |
---|---|
先物取引 | 将来の特定の日に、特定の価格で資産を売買する契約 |
オプション取引 | 資産を特定の価格で売買する権利を売買する契約 |
スワップ取引 | 金利や通貨の交換を行う契約 |
1. 先物取引
先物取引とは、将来の特定の日に、特定の価格で資産を売買する契約です。
これにより、価格変動リスクをヘッジすることができます。
項目 | 内容 |
---|---|
目的 | 価格変動リスクのヘッジ |
メリット | 価格の安定 |
デメリット | 利益の機会損失 |
- 例: Aさんが1年後に1トンの小麦を100万円で購入する契約を結ぶ。
- メリット: 将来の価格変動リスクを回避できる。
- デメリット: 市場価格が契約価格より有利な場合、利益を逃す可能性がある。
2. オプション取引
オプション取引とは、特定の価格で資産を売買する権利を売買する契約です。
オプションには「コールオプション」(買う権利)と「プットオプション」(売る権利)があります。
項目 | 内容 |
---|---|
目的 | 価格変動リスクのヘッジ、投機 |
メリット | 選択の自由 |
デメリット | プレミアムの支払い |
- 例: Aさんが1か月後に100円で株を買う権利(コールオプション)を購入。
- メリット: 権利を行使するかどうかを選択できる。
- デメリット: オプション料(プレミアム)が発生する。
3. スワップ取引
スワップ取引とは、一定期間にわたり、金利や通貨の交換を行う契約です。
代表的なものに金利スワップがあります。
項目 | 内容 |
---|---|
目的 | 金利リスクの管理 |
メリット | リスクの分散 |
デメリット | 取引コスト |
- 例: Aさんが固定金利のローンを変動金利に変更するためにスワップ取引を行う。
- メリット: 金利リスクの管理が可能。
- デメリット: 取引コストが発生する。
練習問題と解説
問題1
次のうち、先物取引に関する説明として正しいものはどれですか。
- 先物取引は、将来の特定の日に特定の価格で資産を売買する契約である。
- 先物取引は、特定の価格で資産を売買する権利を売買する契約である。
- 先物取引は、金利や通貨の交換を行う契約である。
- 先物取引は、資産の現物を即時に売買する契約である。
【解説】
正解: 1
先物取引は、将来の特定の日に特定の価格で資産を売買する契約です。
これにより、価格変動リスクをヘッジすることができます。
選択肢2はオプション取引、選択肢3はスワップ取引、選択肢4は現物取引に関する説明です。
問題2
オプション取引において、特定の価格で資産を売る権利を何と呼びますか。
- コールオプション
- プットオプション
- スワップオプション
- フューチャーオプション
【解説】
正解: 2
オプション取引において、特定の価格で資産を売る権利はプットオプションと呼ばれます。
コールオプションは資産を買う権利です。スワップオプションやフューチャーオプションは存在しません。
問題3
スワップ取引に関する説明として正しいものはどれですか。
- スワップ取引は、将来の特定の日に特定の価格で資産を売買する契約である。
- スワップ取引は、特定の価格で資産を売買する権利を売買する契約である。
- スワップ取引は、金利や通貨の交換を行う契約である。
- スワップ取引は、資産の現物を即時に売買する契約である。
【解説】
正解: 3
スワップ取引は、一定期間にわたり、金利や通貨の交換を行う契約です。
選択肢1は先物取引、選択肢2はオプション取引、選択肢4は現物取引に関する説明です。
関連ページ
その他のFP3級の重要ポイントと練習問題は以下ページに掲載しています。

FP3級以外については以下ページに掲載しています。

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