FP3級試験で出題される「外貨建商品」の重要ポイントと例題についてまとめました。
外貨建商品の概要
外貨建商品とは、日本円を外貨に両替して運用する金融商品です。
外貨建商品は、為替リスクや手数料などのデメリットもありますが、適切に運用すれば高い利回りが期待できます。
代表的な外貨建商品には、外貨預金、外国債券、外国投資信託などがあります。
商品名 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
外貨預金 | 外貨で行う預金。普通預金や定期預金がある。 | 円預金よりも金利が高いことが多い。 | 預金保険制度の対象外。為替リスクあり。 |
外国債券 | 外国で発行される債券。 | 高い利回りが期待できる。 | 信用リスクやカントリーリスクがある。 |
外国投資信託 | 外国の法律に基づいて設定される投資信託。 | 分散投資が可能。 | 為替リスクや手数料がかかる。 |
外貨建てMMF | 外貨建ての公社債投資信託。短期の国債などで運用される。 | 比較的リスクが低い。 | 為替リスクがある。 |
1. 外貨預金
外貨預金は、外貨で行う預金のことです。普通預金や定期預金があり、円預金よりも金利が高いことが多いです。以下のポイントを押さえておきましょう。
- 預金保証制度の対象外: 外貨預金は預金保険制度の対象外であり、金融機関が破綻した場合の保証がありません。
- 為替リスク: 円高になると為替差損が発生し、円安になると為替差益が得られます。
- 税金: 利子に対しては所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%の合計20.315%がかかります。為替差益は雑所得として課税されます。
2. 外国債券
外国債券は、発行者や発行場所、通貨のいずれかが外国である債券です。以下の種類があります。
- サムライ債: 発行者が外国で、通貨が円の債券。
- ショーグン債: 発行者が外国で、通貨も外国の債券。
外国債券の特徴は以下の通りです。
- 高い利回り: 国内債券よりも高い利回りが期待できます。
- 信用リスク: 発行体の信用状況によっては元本割れのリスクがあります。
- カントリーリスク: 発行国の政治・経済状況によってリスクが変動します。
3. 外国投資信託
外国投資信託は、外国の法律に基づいて設定される投資信託です。代表的なものに外貨建てMMFがあります。
- 外貨建てMMF: 外貨建ての公社債や短期の金融商品で運用される投資信託。以下のポイントを押さえておきましょう。
- 株式は一切組み入れていない。
- 売買手数料がない。
- いつでもペナルティなしで換金可能。
- 収益分配金は利子所得で、20.315%の申告分離課税となる。
練習問題と解説
問題1
外貨預金に関する次の記述のうち、正しいものはどれですか。
- 外貨預金は預金保険制度の対象である。
- 外貨預金の利子には所得税がかからない。
- 外貨預金は為替リスクがある。
- 外貨預金は円預金よりも必ず高い金利が適用される。
【解説】
正解: 3
外貨預金は為替リスクがあり、円高になると為替差損が発生し、円安になると為替差益が得られます。
外貨預金は預金保険制度の対象外であり、利子には所得税がかかります。
また、金利は市場の状況によって変動するため、必ずしも円預金より高いとは限りません。
問題2
外国債券に関する次の記述のうち、誤っているものはどれですか。
- 外国債券は発行体の信用リスクがある。
- 外国債券はカントリーリスクがある。
- 外国債券は為替リスクがない。
- 外国債券は高い利回りが期待できる。
【解説】
正解: 3
外国債券には為替リスクがあります。
発行体の信用リスクや発行国の政治・経済状況によるカントリーリスクも伴いますが、高い利回りが期待できる点が特徴です。
問題3
外貨建てMMFに関する次の記述のうち、正しいものはどれですか。
- 外貨建てMMFは株式を組み入れている。
- 外貨建てMMFは売買手数料がかかる。
- 外貨建てMMFはいつでもペナルティなしで換金可能である。
- 外貨建てMMFの収益分配金は非課税である。
【解説】
正解: 3
外貨建てMMFは株式を一切組み入れておらず、売買手数料もかかりません。
また、いつでもペナルティなしで換金可能であり、収益分配金は利子所得として20.315%の申告分離課税が適用されます。
関連ページ
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