ビジネス会計検定3級で出題される「成長率および伸び率の分析」の重要ポイントと練習問題を解説します。
成長率および伸び率の分析の概要
成長率および伸び率の分析は、企業の財務状況や業績の変化を評価するための重要な手法です。これらの分析は、企業の成長性や収益性を評価し、将来の業績を予測するために使用されます。
分析項目 | 計算式 | 説明 |
---|---|---|
対前年度比率 | (分析対象年度の金額 / 前年度の金額) × 100 | 前年度と比較した成長率 |
伸び率 | ((分析対象年度の金額 – 前年度の金額) / 前年度の金額) × 100 | 前年度からの増減率 |
対基準年度比率 | (分析対象年度の金額 / 基準年度の金額) × 100 | 基準年度と比較した成長率 |
1. 対前年度比率
対前年度比率は、ある年度の数値を前年度の数値と比較して成長率を評価する方法です。この比率は、企業の成長性を評価するための基本的な指標となります。
計算式
$$\text{対前年度比率} = \left( \frac{\text{分析対象年度の金額}}{\text{前年度の金額}} \right) \times 100$$
例
例えば、2023年度の売上高が1,200万円で、2022年度の売上高が1,000万円の場合、対前年度比率は以下のように計算されます。
$$\text{対前年度比率} = \left( \frac{1,200}{1,000} \right) \times 100 = 120\%$$
この結果、2023年度の売上高は前年度比で20%増加したことがわかります。
2. 伸び率
伸び率は、前年度と比較してどれだけ増減したかを示す指標です。これは、企業の成長性をより詳細に評価するために使用されます。
計算式
$$\text{伸び率} = \left( \frac{\text{分析対象年度の金額} – \text{前年度の金額}}{\text{前年度の金額}} \right) \times 100$$
例
例えば、2023年度の売上高が1,200万円で、2022年度の売上高が1,000万円の場合、伸び率は以下のように計算されます。
$$\text{伸び率} = \left( \frac{1,200 – 1,000}{1,000} \right) \times 100 = 20\%$$
この結果、2023年度の売上高は前年度比で20%増加したことがわかります。
3. 対基準年度比率
対基準年度比率は、特定の基準年度と比較して成長率を評価する方法です。基準年度は通常、分析期間の初年度や正常と考えられる年度が選ばれます。
計算式
$$\text{対基準年度比率} = \left( \frac{\text{分析対象年度の金額}}{\text{基準年度の金額}} \right) \times 100$$
例
例えば、2023年度の売上高が1,200万円で、基準年度(2020年度)の売上高が800万円の場合、対基準年度比率は以下のように計算されます。
$$\text{対基準年度比率} = \left( \frac{1,200}{800} \right) \times 100 = 150\%$$
この結果、2023年度の売上高は基準年度比で50%増加したことがわかります。
練習問題と解説
問題1
2023年度の売上高が1,500万円、2022年度の売上高が1,200万円であった場合、2023年度の対前年度比率は次のうちどれか。
- 120%
- 125%
- 130%
- 135%
【解説】
正解: 2. 125%
対前年度比率は、分析対象年度の金額を前年度の金額で割り、その結果に100を掛けて計算します。計算式は以下の通りです。
$$\text{対前年度比率} = \left( \frac{1,500}{1,200} \right) \times 100 = 125\%$$
問題2
2023年度の売上高が2,000万円、2022年度の売上高が1,800万円であった場合、2023年度の伸び率は次のうちどれか。
- 10%
- 11.1%
- 12.5%
- 15%
【解説】
正解: 2. 11.1%
伸び率は、分析対象年度の金額から前年度の金額を引き、その結果を前年度の金額で割り、その結果に100を掛けて計算します。計算式は以下の通りです。
$$\text{伸び率} = \left( \frac{2,000 – 1,800}{1,800} \right) \times 100 = 11.1\%$$
問題3
基準年度(2020年度)の売上高が1,000万円、2023年度の売上高が1,500万円であった場合、2023年度の対基準年度比率は次のうちどれか。
- 140%
- 145%
- 150%
- 155%
【解説】
正解: 3. 150%
対基準年度比率は、分析対象年度の金額を基準年度の金額で割り、その結果に100を掛けて計算します。計算式は以下の通りです。
$$\text{対基準年度比率} = \left( \frac{1,500}{1,000} \right) \times 100 = 150\%$$
関連ページ
その他の重要ポイントと練習問題は以下ページに掲載しています。

コメント