FP3級試験で出題される「債券投資」の重要ポイントと例題についてまとめました。
債券投資の概要
債券投資は、国や企業が資金を調達するために発行する債券を購入し、利息や償還時の差益を得る投資方法です。
債券は比較的リスクが低く、安定した収益を期待できるため、資産運用の一環として広く利用されています。
債券の種類 | 説明 |
---|---|
国債 | 国が発行する債券 |
地方債 | 地方公共団体が発行する債券 |
社債 | 企業が発行する債券 |
金融債 | 金融機関が発行する債券 |
1. 債券の基本
債券には以下のような基本的な特徴があります。
債券の種類
- 国債: 国が発行する債券で、最も信用度が高い。
- 地方債: 地方公共団体が発行する債券。
- 社債: 企業が発行する債券。
- 金融債: 金融機関が発行する債券。
債券の利回り
債券の利回りには以下の4種類があります。
- 直接利回り: 債券の表面利率を購入価格で割ったもの。
- 応募者利回り: 債券の購入価格と償還価格、利息を考慮した利回り。
- 最終利回り: 債券を償還まで保有した場合の利回り。
- 所有期間利回り: 債券を一定期間保有した場合の利回り。
債券の発行価格
- パー発行: 額面100円当たり100円で発行。
- アンダーパー発行: 額面100円当たり100円未満で発行。
- オーバーパー発行: 額面100円当たり100円超で発行。
2. 債券のリスクと利回り計算
債券のリスク
- 信用リスク: 発行体が債務不履行になるリスク。
- 金利リスク: 市場金利の変動による債券価格の変動リスク。
- 流動性リスク: 債券を売却したいときにすぐに売れないリスク。
債券利回りの計算方法
債券利回りの計算はFP3級試験で頻出です。以下に代表的な計算方法を示します²:
直接利回りの計算
$$\text{直接利回り} = \frac{\text{表面利率}}{\text{購入価格}} \times 100$$
応募者利回りの計算
$$\text{応募者利回り} = \frac{\text{年間利息} + \frac{\text{償還価格} – \text{購入価格}}{\text{償還年数}}}{\text{購入価格}} \times 100$$
最終利回りの計算
$$\text{最終利回り} = \frac{\text{年間利息} + \frac{\text{償還価格} – \text{購入価格}}{\text{償還年数}}}{\frac{\text{購入価格} + \text{償還価格}}{2}} \times 100$$
練習問題と解説
問題1
次のうち、債券の利回りに関する説明として正しいものはどれですか。
- 直接利回りは、債券の表面利率を購入価格で割ったものです。
- 応募者利回りは、債券の購入価格と償還価格、利息を考慮しない利回りです。
- 最終利回りは、債券を償還まで保有した場合の利回りではありません。
- 所有期間利回りは、債券を一定期間保有した場合の利回りではありません。
【解説】
正解: 1
直接利回りは、債券の表面利率を購入価格で割ったものです。応募者利回りは、債券の購入価格と償還価格、利息を考慮した利回りです。最終利回りは、債券を償還まで保有した場合の利回りであり、所有期間利回りは、債券を一定期間保有した場合の利回りです。
問題2
債券の発行価格に関する説明として正しいものはどれですか。
- パー発行は、額面100円当たり100円未満で発行されます。
- アンダーパー発行は、額面100円当たり100円で発行されます。
- オーバーパー発行は、額面100円当たり100円超で発行されます。
- パー発行は、額面100円当たり100円超で発行されます。
【解説】
正解: 3
オーバーパー発行は、額面100円当たり100円超で発行されます。パー発行は、額面100円当たり100円で発行され、アンダーパー発行は、額面100円当たり100円未満で発行されます。
問題3
次のうち、債券のリスクに関する説明として正しいものはどれですか。
- 信用リスクは、発行体が債務不履行になるリスクです。
- 金利リスクは、市場金利の変動による債券価格の安定性を示します。
- 流動性リスクは、債券を売却したいときにすぐに売れるリスクです。
- 信用リスクは、債券の価格が市場金利の変動により変動するリスクです。
【解説】
正解: 1
信用リスクは、発行体が債務不履行になるリスクです。金利リスクは、市場金利の変動による債券価格の変動リスクであり、流動性リスクは、債券を売却したいときにすぐに売れないリスクです。
問題4
額面100円、表面利率5%、購入価格95円の債券の直接利回りを計算してください。
- 4.74%
- 5.26%
- 5.00%
- 5.53%
【解説】
正解: 2
直接利回りは、表面利率を購入価格で割ったものです。
$$\text{直接利回り} = \frac{5}{95} \times 100 = 5.26\%$$
問題5
額面100円、表面利率4%、購入価格98円、償還価格100円、償還年数2年の債券の応募者利回りを計算してください。
- 4.08%
- 4.10%
- 4.12%
- 4.14%
【解説】
正解: 3
応募者利回りは、年間利息と償還価格と購入価格の差を考慮した利回りです。
$$\text{応募者利回り} = \frac{4 + \frac{100 – 98}{2}}{98} \times 100 = 4.12\%$$
問題6
額面100円、表面利率6%、購入価格102円、償還価格100円、償還年数3年の債券の最終利回りを計算してください。
- 5.56%
- 5.88%
- 5.94%
- 6.00%
【解説】
正解: 1
最終利回りは、年間利息と償還価格と購入価格の差を考慮した利回りです。
$$\text{最終利回り} = \frac{6 + \frac{100 – 102}{3}}{\frac{102 + 100}{2}} \times 100 = 5.56\%$$
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