【FP3級】「相続財産の評価(不動産以外)」のポイントと練習問題

FP3級試験で出題される「相続財産の評価(不動産以外)」の重要ポイントと例題についてまとめました。

相続財産の評価(不動産以外)の概要

相続財産の評価は、相続税や贈与税の計算に必要です。
不動産以外の財産には、動産、金融資産、ゴルフ会員権、生命保険契約に関する権利、株式などが含まれます。
これらの財産は、時価を基準に評価されます。

財産の種類 評価方法
動産 調達価額または中古市場価格
ゴルフ会員権 取引価額の70%
預貯金 残高 + 経過利子 – 源泉徴収額
公社債 最終価額 + 経過利子 – 源泉徴収額
生命保険契約 解約返戻金
上場株式 課税時期の終値または過去3ヶ月の平均終値のうち最も低い価額

1. 動産の評価

動産には、自動車、宝石、貴金属、骨董品、美術品などが含まれます。
評価方法は以下の通りです。

  • 調達価額: 課税時期における取得価格。
  • 中古市場価格: 中古車市場や買取業者の見積もり価格。

家庭用動産など、1個・1組が5万円以下のものは一括して評価できます。

2. ゴルフ会員権の評価

ゴルフ会員権は、特定のゴルフ場でのプレー権利を持つもので、取引可能な場合は課税時期の取引価額の70%で評価されます。

3. 金融資産の評価

預貯金の評価

預貯金の評価は、以下の式で計算されます。

$$\text{預貯金残高} + \text{経過利子} – \text{源泉徴収額}$$

公社債の評価

上場している利付公社債の場合、以下の式で評価されます。

$$\text{最終価額} + \text{経過利子} – \text{源泉徴収額}$$

個人向け国債の場合は、中途換金価額で評価されます。

4. 生命保険契約に関する権利の評価

生命保険契約に関する権利は、解約返戻金で評価されます。
これは、保険金額ではなく、解約した場合に受け取れる金額です。

5. 株式の評価

上場株式の評価

上場株式は、以下の4つの価格のうち最も低い価格で評価されます。

  1. 課税時期の終値
  2. 課税時期以前3か月の各月の終値の平均

取引相場のない株式の評価

取引相場のない株式は、会社の規模(大会社、中会社、小会社)に応じて評価方法が異なります。

練習問題と解説

問題1

相続財産の評価に関する次の記述のうち、正しいものはどれですか。

  1. 預貯金の評価は、課税時期の預貯金残高に経過利子を加え、源泉徴収額を控除して算出する。
  2. ゴルフ会員権の評価は、課税時期の取引価額の50%で行う。
  3. 生命保険契約に関する権利の評価は、保険金額で行う。
  4. 上場株式の評価は、課税時期の終値のみで行う。

【解説】
正解: 1
預貯金の評価は、課税時期の預貯金残高に経過利子を加え、源泉徴収額を控除して算出します。ゴルフ会員権の評価は課税時期の取引価額の70%で行い、生命保険契約に関する権利の評価は解約返戻金で行います。上場株式の評価は、課税時期の終値と課税時期以前3か月の各月の終値の平均のうち最も低い価額で行います。

問題2

次のうち、動産の評価方法として正しいものはどれですか。

  1. 課税時期の取得価格
  2. 課税時期の市場価格
  3. 課税時期の調達価額または中古市場価格
  4. 課税時期の保険価額

【解説】
正解: 3
動産の評価は、課税時期の調達価額または中古市場価格で行います。課税時期の取得価格や市場価格、保険価額は評価方法として使用しません。

問題3

上場株式の相続税評価額の計算方法として正しいものはどれですか。

  1. 課税時期の終値
  2. 課税時期以前3か月の各月の終値の平均
  3. 課税時期の終値と課税時期以前3か月の各月の終値の平均のうち最も低い価額
  4. 課税時期の終値と課税時期以前3か月の各月の終値の平均のうち最も高い価額

【解説】
正解: 3
上場株式の相続税評価額は、課税時期の終値と課税時期以前3か月の各月の終値の平均のうち最も低い価額で評価します。

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